その「いらないもの」、誰かには宝物かもしれません。
2026/07/15メモリーズ株式会社を見学してきました【後編】
前編では、メモリーズ株式会社の見学を通して、「遺品整理の前にできることがある」
というお話をしました。
後編は、倉庫とオークション事務所の見学です。
ここで私たちライフオーガナイザーが一番驚いたのは、「え? これも売れるの?」ということでした。
片づけをしていると、「これはもういらないよね」と判断してしまいがちなもの。
でも、ちょっと待って。
その判断、本当に「ゴミ」なのでしょうか?目次
- 「不要品」ではなく「次の行き先」がある
- 古い食器にも、まだ出番がある
- 服もトイレットペーパーも、捨てない
- 食品はフードバンクへ
- 「E」の箱の中身は何?
- 意外なものがオークションで売れる
- 50代からは「捨てる」以外のお金の使い方も
- 片づけ上手は「捨て上手」ではない
「不要品」ではなく「次の行き先」がある


(これは遺品整理のいち現場へ持って行くダンボールと道具だそうです。意外に少ない・・・)
本社倉庫には、現場で使用される道具や用品のほかに、現場から運び出されたものもたくさんありました。
でも、ただ積んであるわけではありません。
それぞれに、
- リユースする
- 古物市場へ出す
- 次の現場で使う
- フードバンクへ届ける
- リサイクルする など、行き先が決められています。
ここで強く感じたのが、「分けると、資源になる」ということでした。
古い食器にも、まだ出番がある

例えば食器。箱もない。かなり古い。使用済み。
一般的なリサイクルショップでは、買取が難しそうなものです。
ところが、メモリーズさんでは、食器だけでなく、花器や茶器なども海外での需要があるため、
リユースにつながる場合があるそうです。
「日本ではもう使わないかな」と思っていたものが、「場所が変われば、欲しい人がいる」こともある。
モノの価値って、面白いですね。
一方で、昔の和ダンスなどは、以前ほど海外での需要がなくなっているとのこと。
「日本の古いものなら、何でも海外で人気!」というわけではありません。
市場は変化します。
だからこそ、価値を知っている人につなぐことが大切なのだと思います。
服もトイレットペーパーも、捨てない

倉庫には、未使用のトイレットペーパーやティッシュなども保管されていました。
まとめ買いしたけれど使い切れなかったもの。これらは次の現場で活用されるそうです。
さらに面白かったのが、衣類。
「もう着ないから」と処分されがちな服も、
- 梱包材
- 拭き取り用の布
- 水分や油などを吸わせるための資材として、現場で再利用できるそうです。
「着る」という役割を終えても、「拭く」という第二の人生がある。
なんだか、モノにも人生があるようで面白い。
食品はフードバンクへ

ピンク色のコンテナには、乾麺などの未使用食品が入っていました。
賞味期限などを確認したうえで、フードバンクへ届けているそうです。
「家ではもう食べないけれど、まだ食べられる」そんな食品が、必要としている人のところへ届く。
「捨てる」だけではない選択肢があることを、実際の現場で見ることができました。
「E」の箱の中身は何?
倉庫で気になったのが、ダンボールに書かれた「E」の文字。
「これは何ですか?」と聞くと、
「エコです」とのこと。
中には、古物市場などへ出す品物が入っていました。
ハサミならハサミ。
カセットテープならカセットテープ。
おもちゃならおもちゃ。
同じ種類に分けられたものもあれば、いろいろな雑貨がまとめられている箱もありました。
ここでも、「分けること」の力を感じました。
バラバラに置いてあったら「雑多なもの」。
でも、分類すると「商品」になる。
これって、まさにライフオーガナイズの考え方にも通じます。
意外なものがオークションで売れる

さらに別の場所にあるオークション事務所にも案内していただきました。
そこでは、専門スタッフがYahoo!オークションへの出品を担当。
レトロ商品、フィギュア、おもちゃ、ゲームなど、いろいろなものが並んでいます。
出品番号をつけて管理し、撮影して、商品説明を書き、オークションへ。
奥には撮影用のスペースまでありました。
そこで聞いた、「オークションは写真が命です。」という言葉も印象的でした。
どんなに価値のあるものでも、その価値が写真で伝わらなければ、欲しい人に届きません。
そして、現場スタッフには、「こんなものが、こんな価格で売れた」という販売実績も共有しているそうです。
つまり、「価値を見つける人」と「価値を届ける人」がつながっている。
これが、不要品をリユースする仕組みを支えているのです。
50代からは「捨てる」以外のお金の使い方も
ここからは、私たち50代にも関係する話です。
片づけというと、「いらないものを捨てる」「モノを減らす」というイメージがあります。
でも、今回の見学で感じたのは、
「自分には必要ないけれど、誰かには必要かもしれない」という視点を持つことの面白さでした。
そして、もう一つ。
これから50代、60代と人生を楽しんでいくなら、
「モノを買う」以外にも、お金の使い道を考えてみる。というのもいいかもしれません。
例えば、
「買う前に、本当に欲しいものか考える」
「長く使えるものを選ぶ」
「誰かに譲ることを前提に買う」
「モノではなく、体験にお金を使う」
「人とのつながりにお金を使う」など。
「節約しなくちゃ」だけでは、人生が少し窮屈です。
これからは、
「何にお金を使ったら、私の人生が面白くなる?」という視点も持っていたい。

片づけ上手は「捨て上手」ではない
今回の見学で、私が持ち帰った一番大きな気づきは、
片づけ上手=捨て上手、ではないということです。
「これはいらない」と判断するだけではなく、
「これは誰かに譲れる?」
「リユースできる?」
「寄付できる?」
「資源として使える?」
「専門家に聞いてみようか?」と、いくつもの選択肢を考えられる。
そうすると、片づけは「捨てる作業」から、「モノの次の人生を考える作業」に変わります。
これは、親の家の片づけを考えるときにも役立ちます。
いきなり、「全部処分しよう!」ではなく、
「これは誰かに使ってもらえるかな?」から始めてもいい。
そして、親のことを心配する50代へ
親の家のことが気になり始めたら、「早く片づけなきゃ」と思うかもしれません。
でも、急がなくても大丈夫。
まずは、「どんなふうに暮らしたい?」と本人に聞いてみる。
そして「これから何を残したい?」「誰に譲りたい?」「これはもう使わない?」
と、一緒に考えてみる。
その時間そのものが、大切なのかもしれません。
そして、自分自身も忘れない。
親の家を整えることと、
自分のこれからの人生を楽しむこと。
この二つは、どちらか一方を選ぶものではありません。
親のことも気になる。
でも、自分だってまだまだ楽しみたい。
旅行にも行きたい。
美味しいものも食べたい。
新しいこともやってみたい。
そんな50代だからこそ、
「片づける」だけではなく、「これから何を楽しむ?」まで一緒に考えていきたいと思っています。
今回の見学は、遺品整理の現場を見るだけでなく、
「モノにも次の行き先がある」
「暮らしにも次のステージがある」
そして、
「私たちの人生にも、まだまだ次の楽しみがある」
そんなことを考える時間になりました。